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ミライニツナガルナニカ

人事採用コンサルタントの前田が日々感じたことを中心に書いています。

性悪説マネジメントに将来はないと思う。

ワークスタイル・仕事術

副業兼業の話題で、僕が気になるもう一つのテーマが“性悪説マネジメント”です。副業兼業で多く上がる反対意見の3つの中の2つが下記だと思います。

  • 本業に身が入らなくなる
  • 機密情報漏洩が心配

(あと一つは労働時間マネジメントが難しくなる。これは一理あると思います)

“本業に身が~”に対してというコトではありませんが、副業兼業を許容している会社からは「視野が広がる」「社外ネットワークの刺激がプラスに働く」「時間効率を考えるようになる」という意見がありますし、

“機密情報~”に関しては、副業兼業だけの話ではありません。副業や兼業という働き方の問題ではなく、モラルと教育とリスク管理の話しです。

この2点が反対意見として上がるのをみると、社員って信用されていないのね・・・と残念な気持ちになります。経営者にとっても、社員にとっても、どちらにしても残念です。

性悪説マネジメント”の背景は「社員を信じることができない経営者」と「会社から信用されていない社員」の対立構造です。今までは機能していたかもしれませんが、そろそろ寿命なんじゃないかなと思ってたりします。

事後になりましたが、ここでいう”性悪説マネジメント”は、少し狭い意味でのマネジメント、主として“組織マネジメント上の前提となる考え方”の一つとしてお読みください。

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性悪説マネジメントも必要な時代があった

こういう風に書くと、僕自身が性悪説マネジメントそのものが“悪”であるように考えている人物と思うかもしれませんが、そこまでは考えていません。なぜなら、何かしらの必然があってこそのマネジメント手法だからです。

仕事そのものの内容も過去と未来では違いますし、
仕事の管理手法も過去と未来では違います。

今まで一定の機能を果たしてきたマネジメント手法ですが、これからの働き方という観点ですと未来がないなぁと考えています。

これからのマネジメントは「管理する人」と「管理される人(見張られている人)」というだけの関係性ではパフォーマンスが上がっていかないと考えていて、性悪説マネジメントはまさにこれだからです。

仕事の内容が全て手順書やそこまででなくとも、”正しいやり方”があり、労働者は手順書や慣例に従って働き、管理者は仕事の”量”をマネジメントしていれば業績が上がった時代は、性悪説マネジメントでもよかったのでしょう。

でも、これからの時代、上記のような仕事はどんどん自動化や機械化が進むので、従来の前提が崩れてしまいます。ロボットとかAIとかIoTだとかは性善説性悪説の話ではなくなりますね。

”VUCAの時代”

VUCAワールドという言葉をご存知でしょうか。
Volatility(不安定),Uncertainty(不確実),Complexity(複雑), Ambiguity(曖昧)の頭文字をとった現世を表現した言葉です。こういった状況下で成果をだす仕事だけが、これからの時代、人ができる仕事として残るのではないでしょうか。

VUCAの時代では、管理する側は「これが正しいやり方である」と言い切れない仕事を管理することになります。要は”何が正しいか”が分からないけれど、継続的に付加価値を生産し続けなければならないのです。

社員側も同じで「これが正しいやり方である」が分からない中で、管理者に自分のパフォーマンスを表現していかなければなりません。

このような状況で;

  • 目を離したら社員はサボるもの
  • スキをみせたら会社にとって不利益な行動をするもの
  • 規制があってこその社会

という性悪説マネジメントは機能するでしょうか?

「”管理者&社員”でタッグを組んでいる組織」と「”管理者対社員”で対立構造である組織」のどちらがこれからの時代でパフォーマンスを発揮するでしょうか。 

管理体制はしっかりとすればいい

そうはいっても、人間がやることですから、間違いはあるわけです。 うっかりもあるでしょう。一人の過ちが組織やお客様の不利益に直結してしまうのは、不安でもありますから、管理体制はしっかりすればいいと思います。

勤怠管理、情報管理、経費管理など、社員の働き方や「リスク」と思われる領域については、過ちや暴走を未然に防ぐ仕組みを導入することで、“有人監視”のような古い考え方を卒業していった方がいいのではないかと考えています。

昨年拝聴した、某企業の人事役員の言葉が本質的でした。

「フリーアドレス(固定席を設けないオフィスレイアウト)やテレワーク(オフィス外からインターネットなどを使って仕事をするスタイル)だと、仕事の管理監督ができない”という意見が社内で上がったが、本当だろうか。オフィスに出勤しても、固定席だとしても、“自分が見ている”ということが管理できているということなるのだろうか?もはや、仕事が見える/見えないは評価ができる/できないにどれだけ関係あるのだろうか」

 これは性悪説マネジメントではなくて、安全管理やリスク管理の充実であり継続的な教育で対応していくべきと思います。あくまでも会社と社員、管理者と社員の関係は、管理する人と管理される人の対立関係ではなく、協業関係を創るべきです。

そうすると・・・兼業副業のネガティブリスクはかなり解消されるのではないでしょうか?

 

最後に・・・僕が書いたことはきれいごとかも知れません。会社全体をマネージするのに、こんなキレイごとでは治めきれないこともあるでしょう。

でも、僕は8対2の法則を実感しています。会社の業績の80%を創っているのはトップ20%の社員という考え方です。だから会社にとって優秀な人材、キーとなる役割を担っている人材にフォーカスして組織は創られるべきだと考えています。

それらの人材に対して、性悪説マネジメントをベースにした人事制度やカルチャーでは、彼らを留めておくことは難しくなってきています。

時代が変わってきているので、マネジメントの前提も変えていかないと、と思っています。