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ミライニツナガルナニカ

人事採用コンサルタントの前田が日々感じたことを中心に書いています。

戦略的人材採用で見落としがちなこと

採用の仕事

昨年の12月16日から書き始めた「ミライニツナガルナニカ」の32日目の記事となります。3日坊主は乗り越え、3週間も乗り越えたので、3か月の壁を越えてみるぞと、と頑張っております。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

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(今日はとても寒いので、昨年末に夏に大阪でいただいた天ぷらうどんの画像で温まりましょう)

戦略的人材採用で見落としがちなこと

今日は「戦略的人材採用で見落としがちなこと」と題しました。単なる“採用”ではなく“戦略的人材採用”ですので、組織にとって、経営にとって重要なポジションの採用についての話です。だからといって、いわゆる“幹部人材採用”だけの話ではありません。戦略的に拡大させる営業組織の営業職採用も戦略的人材採用の一つですし、戦略的に機能文化させて設立するカスタマーサポート部隊のSV採用も戦略的人材採用です。

そして、面白い(というと失礼ですが)のですが、採用に積極的で採用活動経験の豊富な人事の方や、経営者であればあるほど見落としがちです。

それは、

『採用関係者間における情報流通の最適化』

です。

平たく言いますと
『その採用しようとしているポジション、求人、組織、期待される役割などについての情報を、その採用に関わる人々が適切に理解しているかどうか?情報流通の設計・構築・管理ができていますか?』
ということです。

「 なんだ、そんなことか。」と思う人が多いかもしれませんが、これができていないというか、軽視していたり、部分的にしか行っていない会社がとても多いです。

結果どういうことが起きるかといいますと、なかなか採用できないし、採用できたとしても、本来の目的とずれるから入社者も会社も双方不幸になります。

この“採用に関わる人”とは、応募者だけを指しません。採用に関わるということですので、

  • 人事に関わる管理系部門の方
  • その求人で想定されている配属先の部門長
  • その求人で想定されている面接官
  • その求人を世に広める人材会社の担当者
  • 経営陣

・・・実は、経営者の理解が不足していることが最大の原因だったりすることもあり、本当に勿体ないなぁと感じます。

 

どうして僕がこんなことを言えるのかというと、採用情報の適正流通については、企業の中にいるとわかりにくい(他社と比較しにくい)のですが、僕は仕事柄、採用に苦戦されている企業とのお付き合いが多くて、採用事情について相談を受けることが多かったからです。

 

僕が経営者に直接お会いしたことが無い会社の場合でも、僕が接点をいただいている人事責任者の方がこの辺の重要性を理解いただいているケースは、きちんと情報流通についてマネジメントいただいているので、採用の力強さというか迫力が違ってきます。

この辺は求人票などにはあまり表面化されない話なので、経営者や人事の方だとわかりにくいのかもしれませんので、客観的視点を交えながら解説したいと思います。

 

25年ぶりの売り手市場でどう戦うのか

それにしても大変な「売り手市場」ですね。25年ぶりとのことです。ということは、

今の企業で人事決裁権を握っている、経営者を含め人事のキーになる方々は買い手市場の時代に就職、創業、転職、昇進昇格などをしてきていています。

そして、採用の課題(なすべき事)を考えるときは
「集める」×「選ぶ」×「選ばれる」
の3要素に分解すると整理できます。

その観点で、キーになる方々は「選ぶ」ことへのこだわりは強いのですが、
「集める」と「選ばれる」ことにあまり関心をお持ちでないケースが見受けられます。

キーとなる方々は、長年続いた買い手市場の中でそのポジションを勝ち取った、言わば歴戦の勇者・猛者達です。「集まる」と思っている、「選べる(選びたい)」と思っている、どちらも自分の会社や事業に自信を持っていることはとても素晴らしいのですが、そのいいところも相手に伝えられなくては何もなりません。

自社の求人に関する情報や自社の情報そのものを適切に流通させることができていないのに、「集まらないから仕方ない」と諦めてしまってたり、「ウチの会社では合わない・活躍できない」などと切り捨ててしまっているとしたら、なんと勿体ない事でしょう。

 

すぐにとりかかること

それは、「その採用はなぜ行うのか?」という問いを繰り返すことです。

  • 事業を拡大させるから
  • 新事業を始めるから
  • 人事異動で欠員ができるから
  • 組織の再編をするから
  • 退職者(休職者)の補充をしたいから
  • 休職者の補充をしたいから
  • 毎年採用しているから

・・・・色々と理由があるのですが、

可能な限り、“本質的な採用理由”を言語化しましょう。事業や組織の状況を理解・把握し、人事計画の情報を集め、その採用が必要になった“裏側”をきちんと言葉にしてみましょう。

  • なぜ、その経験が必要なのだろう
  • なぜ、その性別がいいのだろう
  • なぜ、その年齢層がいいのだろう
  • なぜ、外部の人材が必要なのだろう

という現状の求人要件に対する「なぜ」を繰り返すことで、本質的な採用理由が浮き彫りになってくる時があります。

場合によっては、、、

  • 本当にその採用が必要なのだろうか?
  • 社内異動で対応できないのだろうか?
  • 採用ではなくて業務整理や外注化は?
  • その事業領域をやっている他社と提携する?

など、採用以外の解決策が合理的であることも少なくありません。

戦略的人材採用は、採用以外の結論もアリですから。

また、採用の背景ではありませんが、その採用の結果として企業にもたらされる便益についても考えましょう。人材採用は経営リソースの補強ですから、その活動にはコストがかかります。人材のROIを無視した採用は危険ですから、「その採用によってもたらされる営業利益の見込みは?」などリターンが及ぶ範囲や大きさも重要な情報ですね。

だって、例えばそのポジションに最高の人材が採用できてもたらされる営業利益が毎年5000万円にも及ぶのだとしたら、採用コストはいくらまでかけられます??

 

それともう一つあります。

採用の対象者、いわゆる“応募者”にとって、「なぜ、その企業で働くのだろうか」を考えることも大事です。

その応募者は応募者で何かを問題・課題を抱えています。その抱えている何かしらの問題・課題が、その企業で働くことで解決されなければ、その採用は失敗に終わる可能性があります。その人はまた転職してしまうか、やる気がなくなってしまうかもしれません。

応募者の立場で考える事も「情報流通の最適化」として重要なパートです。

 

何が起きるのか?

以上をまとめてみますと、

・多くの企業で、戦略的人材採用で必要なことを見落としている。それは「採用関係者間における情報流通の最適化」である。

・その情報とは「その採用はなぜ行うのか」について、「求人要件の本質を探る」「採用以外の方法で解決できないか考える」「応募者がその企業を選ぶ理由も考える」という3軸でできるだけ深堀する。

・その情報を、採用担当者だけでなく、経営者から人事責任者から面接担当者、応募者まで適切に流通させる。

これを行うとどんなことが起きるのか。

  • その採用を行った時に起きるその企業の未来が生き生きと描かれます。
  • その採用は絶対に成功させるべきだという使命感が関係者間で生まれます。
  • その採用で入社した人は、自らへの期待値の大きさから成長意欲が高まります。
  • 結果、その企業の成長は加速されます。

一つ一つのことは大して難しくないです。ちょっと深く考えたり、議論する時間も必要かもしれませんが、自分の会社のことですし、自分の会社に来てくれる人を想っての作業です。

 

残念ながらここから先は、一般論では書けません。個社ごとの状況・事情を組み入れて言語化するしかないです。地道な作業ですが、人材の採用は機械の購入や原料の仕入れと違い、それぞれに意思があり、時間と共に成長する経営リソースです。

正解のないテーマですが、だからこそ面白いと思っています。