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ミライニツナガルナニカ

人事採用コンサルタントの前田が日々感じたことを中心に書いています。

リファラル採用2017 ~導入検討のポイント⑤

採用の仕事 日記・雑記

リファラル採用が始めたくても始められないモヤモヤポイント探索シリーズの5回目です。今回は、前回の続きで「社員が動いてくれない」を分解してみる話です。

前回は、消費行動モデルの中のDual AISASモデルがリファラル採用をモデル化するには近いです、ということを書きました。あくまでも消費行動モデルは、消費者にモノやサービスを届ける(販売する)上での行動モデルですので、採用活動と完全に一致はしないものの、ヒトがどういう情報を得て、どういう判断をし、どういう行動をするかという点で参考になるのではないでしょうか。

リファラル採用のメカニズムのおさらい

リファラル採用は、「求人情報を広めるヒト」と「求人情報に応募するヒト」の2軸のヒトが動きますので、Dual AISASモデルという「広めるA+ISAS」と「応募のAISAS」で考えると整理できます、という話でした。

Dual AISASが考えられた背景として「情報が多すぎて、知ってもらってもすぐ流れていってしまう」という情報量の多さがありますが、まさに売り手市場傾向の強い採用市場においても同じことが言えます。

ですから、自社の求人情報も、「単に知ってもらう」だけでなく、「魅力的な情報として記憶に長く留まっていてほしい」ので、「応募のAISAS」の「A(attention)」を活性化(Activate)させる「広めるA+ISAS」を組み合わせたDual AISASはモデルとして近いなと思うわけです。

<広めるA+ISAS

  • Activate(活性化)させるための行動モデルとして;
  • Interest:社員が自社の求人情報を知り、(≒軽い関心のレベル)
  • Share:社内で求人情報があることを共有する(「知ってた?」「うん、最近知った」というレベル)
  • Accept:求人情報に対して「ウチの会社、こんな求人があるんだね」と、ポジティブに感じることができると、
  • Spread:“感情が伴った情報”として伝播していく

活性化されない理由を考えてみる

「そんな消費行動モデルみたいにはうまくはいかないよ」と考えるのが普通ですし、僕もそう思います。世の中そんなに甘くない。一方でリファラル採用で成果を出している会社もありますので、何かが違うと思って、その違いは何なのかを探ることが大事です。

Activateにならない場合は、 Interest、Share、Accept、Spreadの4要素のどこに課題があるかと考えてみましょう。

「Interest(興味)を持たない」

“そもそも求人の存在を知らない”、“採用の重要性を知らない”、“組織作りに関心がない”という場合は、「採用活動を全社活動化させる事」を念頭においてください。リファラル採用を推進しているか否かに関わらず、全社員に「採用は最も重要な経営課題」であることを繰り返し伝える必要があります。これは企業規模や採用手法に関わらずです。

「Share(社内共有)されない」
「Accept(共感・共鳴)されない」
「Spread(伝播)されない」

求人情報を知ったとしても、Share、Accept、Spreadされない事があります。ここのプロセスの活動量が上がってこない会社が多いようです。

今日、古くからの友人であり、企業人事としてリファラル採用を積極的に推進している敏腕リクルーターとランチをしてきたのですが、その彼との会話の中で

リファラル採用について言うと、社員が自分の会社のことを悪くなく思ってくれていることは大きいな」

と言ってました。だいぶ謙遜しての発言でしたが、リファラル採用の本質を突いたコメントだなと感じました。

「Share~Accept~Spread」を産み出すためには、社員が自分の会社をある程度「好き」と思ってくれている必要があります。もし社員が会社のことを好ましく思ってないとしたら、間違いなく何も広めません。

会社と個人の関係性

リファラル採用は“Accpet”を得られるかどうか、で大きく変わってきます。要は「会社と個人の関係性」が問われているわけです。社員は自分の友人・知人にウソをつきませんから、自分がいいと思っていないかぎり自分の会社のことを薦めません。

ここにリファラル採用のチャレンジの全てが詰まっているといっても過言ではないと思います。

  • 自分の会社に誇りを持てるかどうか
  • 自分の会社に価値を感じることができるかどうか
  • 自分の仕事に価値を感じることができるかどうか

会社にとって、社員は「経営リソース」の一つの要素かもしれませんが、社員にとっては会社は“働く場”という意味では「ほとんど全て」です。

社員個人のビジョン(実現したい世界観)と会社のビジョンの方向性は合っていますでしょうか?完全に一致しなくとも、共通点が見いだせていますでしょうか?

社員個人にとって「自分のビジョンとかはよくわからない」というステージの場合は、「会社が実現させたいという世界観には共感を覚える」という関係性になっていますでしょうか?

リファラル採用について考えていたのに、どうして会社のビジョンの話になるのか。それは、社員と会社の関係性が明らかに変わってきているからです。

僕は昨年から「ビジョナリー・リクルーティング」という考え方を整理し始めています。会社にとって、社員にとって、雇う側と雇われる側という立場だけでなく、実現したい世界観を共有し合う“しなやかな結びつき”のイメージを持って関係性を創っていくことで、“Accept”は生まれます。

ぜひ大きなAcceptを創出し、Spreadへと繋げていきたいですね。 

 

 

・・・・・

余談ですが、鏡開きって今日みたいですね。

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